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「インターネットの基礎」~情報革命を支えるインフラストラクチャー~を読んだ感想 (1)

内定式を終え、インターネットに関する基礎的な知識を固めたいと思い立つ。

村井純著作「インターネットの基礎」を読んだまとめ、感想

 ARPNETというネットワークとUNIXというオペレーティングシステムが出会ったことによりインターネットが生まれてから、いまだ50年程度でありインターネットの歴史はまだ日の浅いことを改めて考える。そしてインターネット社会が拡大し、全人類参加のインターネット前提社会で私たちは生きている。同級生のコミニュケーションがInstagramのDM機能やラインだけでのやり取りで完結していること、また、インターネット社会の普及とともに今の現代社会は相互不干渉社会ともいわれていることを思うと、インターネットの功罪を問いたくもなる。だがしかし、インターネットという社会的空間と相互不干渉社会との間に因果関係を結び付けるのはまた違うだろうと思う。この生きづらい現実社会からの避難所として機能しているのがインターネット空間であるというのが正確だと思った。

 デジタルという言葉の由来はdigit=指というラテン語に由来し、数えらるものという意味である。デジタルのイメージは、0と1の二進法による表現が想起されるが、電圧や光などのオンオフの二通りの状態で表現できる二進法が単純で設計しやすいという技術的な制約によるからで、数えられるものか、数えられないものかという区別がデジタルとアナログの本質的な違いだ。デジタル方式はコピーしてもデータの欠損を防ぐことができ、数字の羅列であるから比較的、機器に制約を受けることなく汎用的に情報を扱える。現在、あらゆる知識、画像、映像、音がデジタルデータで表現できる。デジタルデータで大切なことは演算が可能であることであり、その例を教えてくれている。

 演算によって可能になる身近な例である映像圧縮という技術を紹介している。1コマ目で全体の画像を送り、2コマ目以降は同じ画像の部分は省略し、変化があった部分だけを送信する。そうすることにより、小さなデータを送るだけですむ。サッカーの試合ならば芝生の部分は送信を省略し、1コマ目の芝生のデータで補完すれば圧縮していない映像と同じ映像を再現することができる。これが圧縮映像の技術だ。

 数値データに関する演算の手順はプログラムによって記述されるが、1960年代にはそのプログラムを動かすコンピュータとデジタルテクノロジーと並行して発達した。また、通信技術、コンピューター科学すべてが飛躍的に発達したことによりインターネット革命にいたった。

 インターネットの源流は1969年に開発が始まったARPANETというネットワークであり、その設計で特筆すべき特徴は通信にパケット交換という方法を採用したことだ。回線交換に対向する技術である。両者とも衆人で共同利用する技術だ。

回線交換方式は、通信回線を通話している二者が占有し、他者は使用不可になる。

一方でパケット交換方式では、通信データを小さくして回線に送るため占有することはない。すべての利用者がいつでも通信が可能になった。

コンピューターの通信手順における約束事はこのときの研究が出発点になったようだ。

当時の様々なネットワークはアーパネットを通じて相互通信しており、そのときのネットワークプロトコルTCPである。そして1978年、TCP層から経路制御機能を担う部分をIPとして分離するアイデアが出され、1981年にTCP/IPとなった。

 UNIXについての解説の項では、性能より人間が使いやすい方を選ぶという設計思想が現代でも引き継がれていること、文字列処理に特化したものとして出発した。